アマランサスは南米・ペルー原産の花を咲かせるヒユ科の植物で、栄養素が非常に高く、スーパーグレイン(驚異の穀物)として注目を浴びています。そのアマランサスの健康効果や効能、食べ方などを解説します。
アマランサスとは?
アマランサスは南米・ペルー原産の花を咲かせるヒユ科の植物です。食品として重宝されているのはアマランサスの種の部分です。ひとつひとつの粒は小さいですが、アマランサスがもつ栄養素が非常に高く、スーパーグレイン(驚異の穀物)として注目を浴びています。スーパーグレインと呼ばれていますが実は正確にはアマランサスは雑穀類ではなく、「類似穀物」という分類に属します。
グルテンを含まない、「グルテンフリー」のため、アマランサスはアレルギー体質の方や赤ちゃんにも安心して摂取いただける優れものです。
また、最近ではNASAがアマランスを宇宙食として取り入れたことも話題となりました。「未来の食物」として評価されているアマランサスの魅力を紹介します。
アマランサスと白米との比較
アマランサスと白米に含まれる主な成分のその差を以下の表にまとめました。
100gあたり | 白米 | アマランサス |
---|---|---|
エネルギー | 365kcal | 358kcal |
食物繊維 | 1.3g | 7.4g |
タンパク質 | 7.13g | 12.7g |
脂質 | 0.66g | 6g |
ビタミンB1 | 0.07㎎ | 0.04㎎ |
ビタミンB2 | 0.05㎎ | 0.14㎎ |
ビタミンB6 | 0.164㎎ | 0.58㎎ |
葉酸 | 8μg | 130μg |
カルシウム | 28㎎ | 160㎎ |
鉄分 | 0.8㎎ | 9.4㎎ |
マグネシウム | 25㎎ | 270㎎ |
リン | 115㎎ | 540㎎ |
カリウム | 115㎎ | 600㎎ |
亜鉛 | 1.09㎎ | 5.8㎎ |
タンパク質 約1,8倍
食物繊維 約5,7倍
マグネシウム 約10,8倍
カルシウム 約5,7倍
鉄分 約11,7倍
その差は圧倒的でアマランサスの栄養価の高さは一目瞭然です。
アマランサスには人間に必要な栄養素がたっぷり含まれていることが分かります。
アマランサスとキヌアの違い
見た目はすごく似ているアマランサスとキヌアですが、よく観察するとアマランサスのほうがキヌアよりも少し小さいことが分かります。
見た目の違いはサイズ感だけですが、栄養価にはそれぞれに違うメリットがあります。
100gあたり | キヌア | アマランサス |
---|---|---|
エネルギー | 368kcal | 358kcal |
食物繊維 | 7g | 7.4g |
タンパク質 | 14g | 12.7g |
脂質 | 6g | 6g |
ビタミンB1 | 0.36㎎ | 0.04㎎ |
ビタミンB2 | 0.32㎎ | 0.14㎎ |
ビタミンB6 | 0.5㎎ | 0.58㎎ |
葉酸 | 184μg | 130μg |
カルシウム | 47㎎ | 160㎎ |
鉄分 | 4.6㎎ | 9.4㎎ |
マグネシウム | 197㎎ | 270㎎ |
リン | 457㎎ | 540㎎ |
カリウム | 563㎎ | 600㎎ |
亜鉛 | 3.1㎎ | 5.8㎎ |
両者を比べると、アマランサスとキヌアのそれぞれの栄養価は優劣をつけがたく、どちらも高栄養価となっています。
キヌアとアマランサスではそれぞれのもつ特徴が異なることからそれぞれの目的に合わせて使い分けることがお勧めです。
キヌアは水を含むと膨らみ、お腹持ちも良いため白米の代わりとして単体で摂取することが可能です。
そのことからもキヌアは主食とし、ダイエット目的で取り入れることができます。
アマランサスは小粒のため主食として単体での摂取には不向きですが、料理のトッピングとして多様に使用することができます。
また、少ない量でも高い栄養価を得られるため、白米に少量を混ぜて炊くことでお手軽にアマランスを摂取できます。
アマランサスの健康効果と効能
美肌・アンチエイジング効果
アマランサスに含まれている脂肪分のひとつに「スクワレン」があります。
このスクワレンはサプリメントや化粧品などにも含まれていて美肌効果が期待できる成分です。人間の肌はスクワレンが減少すると
乾燥やシワ、しみ、たるみの原因になるといわれています。アマランサスに含まれるスクワレンの成分でアンチエイジング効果が期待できます。
生活習慣病予防
アマランサスに含まれるビタミン、食物繊維、植物ステロールによって血管の老化を防ぐ効果があります。
コレステロールを下げる役割もあり、血液中の脂肪を減らします。
貧血予防
アマランサスには鉄分・葉酸・亜鉛が豊富に含まれているため鉄分不足による貧血を防ぐことができます。
便秘改善
アマランサスに含まれる食物繊維には水溶性と不溶性の両方の成分が含まれています。水溶性食物繊維は、腸内環境を整え、水分に溶けやすいため便を柔らかくする作用があります。不溶性食物繊維は、腸の蠕動運動を促進させるため、便の量を増やす作用があります。この両方の成分効果で高い便秘改善効果を発揮します。/
アマランサスの食べ方
アマランサスと白米を一緒に炊く
アマランサスを軽くあらい、30分程度お水に浸します。(お米1合に対し、大匙1杯程度)お米と一緒に炊くだけです。
アマランスをトッピングとして利用
アマランサスはそのまま摂取すると消化が悪いため、加熱が必要です。アマランサスを加熱後、さまざまな料理のトッピングとして利用しましょう。
・フライパンで炒める場合
強火で炒めパチパチはね出したら蓋をして数十秒蒸らすと出来上がりです。
・電子レンジで温める場合
たっぷりのお水に30分ほど浸した後、5分ほど電子レンジでチンします。
その加熱したアマランスを
・サラダに混ぜる
・スープやお味噌汁に混ぜる
・ヨーグルトに混ぜる
等々、アマランサスはどんな料理にも合わせられるため普段の食品にトッピングし、毎日少量ずつ摂取がしやすいのも魅力のひとつです。
またアマランサスの、もちっとプチプチした食感も楽しむことができます。スープやお味噌汁に混ぜるとアマランサスの食べ応えを感じられるためダイエット中の方へおすすめです。
アマランサスの摂取時注意点
スーパーフードはたくさん食べれば良い食品ではありません。アマランサスも過剰摂取には注意が必要です。アマランサスの1日の摂取量の目安は大匙1杯~100g以内です。
アマランサスには豊富な食物繊維が含まれているため過剰摂取することで腸内環境の乱れにつながってしまいます。食物繊維を多く摂ると便の水分が抜けてしまい、逆に便秘を引き起こすことは多く、便秘改善を目的にした方が陥りがちなトラブルです。
他にもアマランサスに豊富に含まれているタンパク質ですがタンパク質を吸収・消化するためのエネルギー不足も懸念されます。
結果として、身体に負担をかけてしまうこともあるためスーパーフードは過剰摂取を避けることが肝要です。
結論
スーパーフードのアマランサスは栄養価が高く、その効果効能も多様ですがアマランサスばかりたくさん摂取すれば良いということではありません。
日々の食事はバランスよく、過剰な摂取は控え、様々な食品から少しずつ栄養を摂ることが大切です。アマランサスは少量で高い栄養価を得られ、また合わせる料理を選ばないことも最大の魅力ですので日々の食品にプラスし継続摂取することでより豊かな食生活を送りましょう。